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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)レビュー — ヴィランが主役になったブロックバスターの分岐点 映画 ポスター

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー (2018)

ヴィランが主役になったブロックバスターの分岐点

★★★★★ ★★★★★ 4.0

by 10days1movie · 公開 2026-09-09

区分 映画
監督 アンソニー・ルッソ, ジョー・ルッソ
出演 ロバート・ダウニー・Jr, クリス・ヘムズワース, ジョシュ・ブローリン, クリス・エヴァンス, スカーレット・ヨハンソン
公開 2018
ジャンル アドベンチャー, アクション, SF
上映時間 149分

10年かけて積み上げてきた十八本の物語が一つの地点へと収束する映画だ。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は数十人のヒーローを一つの画面に詰め込みながらも、物語の中心に据えるのは英雄ではなくヴィランだという大胆な選択をする。宇宙の半分を消し去ろうとするサノスが事実上の主役であり、ヒーローたちは彼を阻もうとして幾度となく挫折する。衝撃的な結末まで押し切る度胸と巨大なスケールをともに備えたこの作品に、★4.0を与えるのに躊躇する理由はなかった。

どんな映画か — 複数の戦線に散らばった死闘

サノスは宇宙の資源が限られているという歪んだ信念のもと、六つのインフィニティ・ストーンを集めて指を一度鳴らすだけで全生命の半分を消そうとする。アベンジャーズとガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、そしてワカンダの戦士たちまで、散らばっていた英雄たちが彼を阻むために複数の戦線で同時に立ち向かう。映画は地球と宇宙を行き来する幾筋もの物語を素早く交差させながら、各チームがストーンを守ろうとし、あるいは奪おうとする死闘を描く。これほどの登場人物を扱いながらも流れが絡まらないという点が、まず驚きだ。

破壊された惑星を背景にインフィニティ・ストーンの力を握ったサノス、アベンジャーズ/インフィニティ・ウォースチール

演出 — 安全な結末を裏切る重心

ルッソ兄弟の演出は、巨大な規模を制御する点にその真価が現れる。数多くのキャラクターにそれぞれの比重を配分しながらも、物語の重心は最後までサノスに置く。その結果、この映画はありがちなヒーロー映画と違い、ヴィランの目的と論理を追っていく構造になる。アクション場面は惑星単位のスケールを誇るが、単なる物量攻勢にとどまらず、人物の感情と噛み合って展開される。特に後半に向かうほど勝利への期待を着実に崩していく演出は、マーベル映画が常に見せてきた安全な結末を正面から裏切り、観客を衝撃に陥れる。

複数の戦線を行き来する編集のリズムも印象的だ。地球のワカンダ戦、宇宙のタイタンでの対決、ストーンを探しに旅立った道のりが同時に進行するが、ルッソ兄弟は各戦線の緊張が互いを押し上げるように場面を配置する。一方がしばし息をつくと、もう一方がすぐさま速度を引き上げ、二時間半近い上映時間がなかなか間延びしない。キャラクターごとに積み上げてきた事情を短い瞬間で喚起させる手腕もまた老練だ。

演技 — モーションキャプチャーで形作った悲劇的なサノス

ジョシュ・ブローリンがモーションキャプチャーで演じたサノスは、この映画の最大の成果だ。彼は単純な悪役ではなく、自らの信念を心から信じる悲劇的な人物として描かれ、ブローリンは表情と声だけでその重みを説得力をもって伝える。ロバート・ダウニー・Jrやクリス・ヘムズワースをはじめとする既存の俳優たちは、長い時間をかけて積み上げてきたキャラクターの肌理を安定的に引き継いでいく。短い出番の中でも各俳優が自分の人物の核心を正確に突き、数十人が登場するにもかかわらず誰一人としてただ通り過ぎることがない。

廃墟と化したタイタン惑星でアイアンマンとスパイダーマン、ガーディアンズのメンバーが緊張して一点を見つめる場面、アベンジャーズ/インフィニティ・ウォースチール

映画が語るもの — ヴィランの視線で引っ張る喪失

『インフィニティ・ウォー』が興味深い理由は、ヴィランの視線で物語を引っ張っていくからだ。サノスは自分が宇宙を救うと信じ、その信念のために最も愛するものまで犠牲にする。映画は彼の論理が明らかに間違っていることを見せながらも、彼がなぜそれほど確信するのかを真摯に見つめる。結末で英雄たちが迎える敗北は、観客に馴染んだカタルシスではなく喪失感を与える。巨大な娯楽映画がこうした重い情緒で幕を下ろすという点が、この作品を特別なものにしている。

評価とレビュー

OMDb基準でIMDbの評価は8.4点だ。ロッテントマトの鮮度は85パーセント、メタクリティックは68点で、批評家と観客の双方から一様な支持を受けた。公開当時、全世界の興行で圧倒的な記録を打ち立て、ヴィランを中心に据えた叙事構造と衝撃的な結末が特に話題となった。視覚効果部門でアカデミー候補に上がりもした。

宇宙船の残骸を背景に一人で立つサノス、アベンジャーズ/インフィニティ・ウォースチール

総評

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はシリーズ物が到達しうる規模の頂点を見せると同時に、定められた公式を大胆にひねる勇気を発揮した作品だ。予備知識が必要な映画だという限界は明らかだが、これまで積み上げてきた物語を知る観客には、この上なく重い一撃として迫ってくる。ヴィランが主役になるブロックバスターがこれほど説得力を持ちうるという事実そのものが印象的だ。

こんな方におすすめ

  • マーベルシリーズを着実に追ってきた方
  • ヴィラン中心の叙事と衝撃的な結末が好きな方
  • 惑星単位の巨大なスケールのアクションを楽しむ方

コメント

  1. …

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