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どろろ(2019)レビュー — 体を取り戻す旅がこんなに悲しいとは思わなかった シリーズ ポスター

どろろ (2019)

体を取り戻す旅がこんなに悲しいとは思わなかった

★★★★★ ★★★★★ 4.0

by 10days1movie · 公開 2026-07-15

区分 シリーズ
監督 古橋一浩
出演 鈴木裕斗, 鈴木梨央
公開 2019
ジャンル アニメーション, アクション, アドベンチャー
上映時間 24分

父が魔神たちに息子の身体の48箇所を売って、領地と権力を手に入れた。その息子が成長して奪われた体を取り戻すために魔神を一体ずつ倒していく旅。設定だけ聞けばシンプルな復讐アクションのように聞こえるが、どろろ2019年リメイクはその旅の中に人間の意志と喪失、そして何が自分を人間にするのかという問いを静かに積み上げていく。

どんな作品か — 奪われた体を取り戻す旅

手塚治虫の同名原作漫画をMAPPAと手塚プロダクションが共同でリメイクした全24話のアニメだ。日本の戦国時代を舞台に、体を奪われたまま生まれた百鬼丸(醍醐丸)が幼い盗賊・どろろとともに魔神たちを倒しながら身体を一つずつ取り戻す過程を描く。2019年1月から放映され、原作の設定とキャラクターを現代的に深化して再構成した。

魔神を倒す百鬼丸の戦闘シーン、どろろスチール

演出 — 感覚を取り戻す過程の音響設計

MAPPAの作画は戦国時代の荒涼とした暗い背景を効果的に捉えている。魔神との戦闘シーンで百鬼丸の動きが洗練されていてダイナミックであり、キャラクターが一つずつ身体を取り戻すたびに世界が違って見える方法を視覚的に表現する試みが印象的だ。最初は音も色もなく世界を認識していた主人公が感覚を一つずつ取り戻していく過程が、演出と音響設計によって視聴者にも感覚的に伝えられる。この部分がこの作品の演出の最も卓越した瞬間だ。

演技とキャラクター — 人間になっていく百鬼丸

鈴木裕斗が演じる百鬼丸は感情表現が抑制されたキャラクターだ。人間ではなく目的のためだけに動いているように見えるこのキャラクターが徐々に人間になっていく過程を、鈴木は微妙な声の変化で伝える。鈴木梨央のどろろはその反対に最初から最後まで生き生きとしていて多弁だ。百鬼丸とどろろのコンビは重く悲しい物語にバランスをもたらす役割を見事に果たしている。

百鬼丸と幼いどろろが一緒に旅する場面、どろろスチール

作品が語るもの — 身体とアイデンティティ、時代の暴力

どろろが語るのは身体とアイデンティティの関係だ。体なく生まれた子が体を取り戻していく過程で、自分が人間なのか魔神なのかが曖昧になる瞬間が生まれる。体を持つほど感じる痛みが増し、魔神を倒すたびに払わなければならない代償がある。父の選択が正しかったかどうかの判断も単純ではない。戦国時代の戦と飢饉、領主たちの搾取が背景として敷かれることで、個人の運命が時代の暴力と交差する方法をこの作品は戦略なしに見せる。

評価とレビュー

IMDb評点は8.2点だ。TMDB評点は8.5点。2019年放映当時その年に注目された作品のひとつとして挙げられ、手塚原作を現代に合わせて再解釈した成功したリメイクとして評価されている。日本国内でも比較的高い評価を受けた。

百鬼丸が魔神と対決するクライマックスシーン、どろろスチール

惜しい点

魔神一体につき一エピソードという公式が中盤には繰り返しに感じられることがある。各魔神エピソードの完成度にばらつきがあり、印象的な回もあれば平凡な回もある。最終アークの展開がやや急に収束する感じもある。原作が未完のまま残した部分をリメイクが処理する方法についてファンの間で意見が分かれる。

総評

★4.0。手塚の原作の真髄を現代のアニメーション技術で蘇らせた作品だ。ダークファンタジーが好きで、単純なアクションではなく喪失とアイデンティティに関する物語を求める視聴者に薦める。最終話まで観終わると余韻が長く残る。百鬼丸が身体を一つずつ取り戻すにつれて、むしろより多くのものを失っていく構造が、この作品の最も残酷で美しい点だ。手塚治虫の原作が1960年代に投げかけた問いが、2019年のリメイクでも依然として有効であることをMAPPAが証明した。原作を知らなくても、この作品だけで完結した鑑賞体験を提供している。

こんな方におすすめ

  • ダークファンタジーアニメが好きな方
  • 手塚治虫の原作に興味がある方
  • 静かな余韻のある物語を好む方

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