グッドフェローズ (1990)
華やかなギャングの人生が墜落する速度
by 10days1movie · 公開 2026-09-22
| 区分 | 映画 |
|---|---|
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
| 出演 | ロバート・デ・ニーロ, レイ・リオッタ, ジョー・ペシ, ロレイン・ブラッコ, ポール・ソルヴィノ |
| 公開 | 1990 |
| ジャンル | ドラマ, 犯罪 |
| 上映時間 | 146分 |
「物心ついた頃から、俺はいつもギャングになりたかった」。映画の最初のナレーションはこの一文で主人公の人生全体を要約する。マーティン・スコセッシは『グッドフェローズ』でマフィアの世界を神話的に美化することも、道徳的に断罪することもしない。代わりにその中に直接入って生きた人間の視線で、華やかさと醜さがいかに一体であるかを速い速度で繰り広げて見せる。
どんな映画か — 使い走りから組織の一員になったヘンリー・ヒル
映画はヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)という実在の人物の回顧を追う。幼い頃から近所のギャングに憧れていたヘンリーは使い走りとして組織に足を踏み入れ、次第にその世界の一員になっていく。冷徹なベテランのジミー(ロバート・デ・ニーロ)、衝動的で暴力的なトミー(ジョー・ペシ)と付き合いながら、ヘンリーは金と権力、華やかな夜の世界を味わう。しかし時が流れるにつれて暴力は制御を外れ、麻薬が割り込んでくると、かつて堅固だった友情と華やかな人生は内側から崩れ始める。

演出 — ロングテイクと編集で体験する墜落
スコセッシの演出は最初から最後までエネルギーに満ちている。人物のナレーションが絶え間なく流れ、時代を貫くポップとロックの音楽が場面ごとに敷かれ、カメラは止まらず動き続ける。ナイトクラブの裏口から入り厨房を抜けて舞台前の席まで、ただの一度のカットもなく追っていくロングテイクは、ヘンリーが享受していた特権の世界を観客が直接通り抜けさせる名場面だ。
映画の本当の妙味は後半にある。ヘンリーの人生が崩れていく最後の日、編集はますます速くなり音楽は神経質に割り込み、画面全体が焦燥に駆られる。観客はヘンリーが感じる偏執と不安をほとんど身体的に体験する。華やかに出発した映画がこれほど焦りながら終わる構造は、ギャングの人生が結局どこへ向かうのかを形式そのもので証言する。146分が一瞬のように過ぎ去る。
演技 — 冗談から殺気へと豹変するジョー・ペシ
レイ・リオッタは魅惑と破滅を行き来するヘンリーを通じて観客をこの世界の中へ引き込む。彼の浮かれた微笑みが次第に血走った不安へと変わっていく過程は映画の情緒的な軸だ。ロバート・デ・ニーロは口数は少ないがすべてを計算するジミーを通じて冷ややかな重みを加える。何よりジョー・ペシが演じたトミーはこの映画の爆発力そのものだ。冗談を飛ばしていたかと思えば一瞬で殺気へと豹変する彼の気まぐれは見ている間じゅう背筋を凍らせ、ペシはこの役でアカデミー助演男優賞を受賞した。ヘンリーの妻キャレンを演じたロレイン・ブラッコもまた印象的だ。彼女の視線を通じて映画は、華やかな人生に魅了されてはその代償に押し潰される、もう一つの墜落の軌跡を共に見せる。

映画が語るもの — 手軽な栄光に付いてくる請求書
『グッドフェローズ』は犯罪の代償を説教しない。むしろその人生がいかに楽しく魅力的かをさんざん見せた後、まさにその魅力がいかに人を蝕んでいくかを露わにする。ヘンリーにとってギャングの世界は家族でありアイデンティティだったし、その世界を失った瞬間、彼は自らがあれほど軽蔑していた平凡な人生へと投げ出される。映画はその最後の墜落を通じて、手軽な栄光には必ず請求書が付いてくるという事実を淡々と見せる。
評価とレビュー
IMDbスコアは8.7点(10点満点)でギャングジャンルを通じて最上位圏だ。ロッテントマトの鮮度は93%、メタクリティックのスコアは100点満点に92点で批評家の評価がほぼ満場一致に近い。ジョー・ペシの助演男優賞受賞をはじめ、アカデミー6部門に候補として挙がった。公開以降、数多くの犯罪映画やドラマに影響を残し、マフィアを扱った作品を語るとき欠かさず挙げられる基準点となった。

総評
『グッドフェローズ』はギャングの人生を最も正直に、そして最も躍動的に描き出した映画だ。華やかな導入部の興奮と破局へと突き進む後半の焦りが、一つの作品の中で鮮明に対比される。犯罪を美化しているという誤解を受けるほど魅惑的だが、その魅惑こそが映画の狙った罠だ。形式と内容が精巧に噛み合ったこの作品に星四つを与えることに躊躇する理由はない。
こんな方におすすめ
- 速い編集と音楽が生きている犯罪映画が好きな方
- マフィアの世界を神話ではなく人間の視線で見たい方
- デ・ニーロとペシ、リオッタのアンサンブル演技を楽しみたい方
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