ジェントルメン (2020)
ガイ・リッチーの帰還、卓越した犯罪アンサンブル
by 10days1movie · 公開 2026-08-18
| 区分 | 映画 |
|---|---|
| 監督 | ガイ・リッチー |
| 出演 | マシュー・マコノヒー, チャーリー・ハナム, ヒュー・グラント |
| 公開 | 2020 |
| ジャンル | アクション, コメディ, 犯罪 |
| 上映時間 | 113分 |
ガイ・リッチーが帰ってきた。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と『スナッチ』で名を上げた彼が、しばらく商業ブロックバスターの間を行き来していたが、再び自分の得意な犯罪アンサンブルジャンルに復帰した作品が『ジェントルメン』だ。結果は彼の犯罪映画の中で最上位とは言えないにしても、久しぶりに嬉しく愉快な帰還だ。評価★4.0。
どんな映画か — 引退を狙った麻薬帝国の交渉
ミッキー・ピアソン(マシュー・マコノヒー)はアメリカ出身でイギリスにマリファナ帝国を築いた人物だ。彼が事業を畳んで引退しようとすると、さまざまな利害関係者たちが絡み始める。映画はプライベート探偵のフレッチャー(ヒュー・グラント)がミッキーの組織員レイ(チャーリー・ハナム)に自分が集めた情報を持って訪れ、交渉を試みる額縁構造で進む。フレッチャーが事件を説明する方法が物語自体となる独特な構成だ。

演出 — 額縁構造で隠す全容
ガイ・リッチー特有のリズムが生きている。速い台詞、多層的なプロット、不意打ちの反転が休みなく続く。額縁構造は単に形式的な実験ではなく、物語の中にさらに物語を積み重ねながら観客が事件の全容を最後まで完全に把握できないようにする仕掛けだ。1990年代末のリッチーの初期作の活気が感じられながらも、歳月の分だけ演出がより熟練したという印象を与える。
演技 — イメージを脱ぎ捨てたヒュー・グラント
最大の収穫はヒュー・グラントだ。この映画で彼は狡猾でおしゃべりで自分の計算が正確な探偵を演じるが、ロマンティック・コメディ時代のイメージを完全に脱ぎ捨てた演技だ。声のトーンから歩き方まで異なる構成の人物が映画全体の活気を主導する。マシュー・マコノヒーはこの役に生まれたかのように自然で、チャーリー・ハナムのレイは混乱した状況を収拾する中心軸の役割を誠実に消化している。
コリン・ファレルが短い出番で登場するシーンは映画全体で特にユーモアが強い部分で、彼の出演がいかに熟練したコメディ演技かを改めて確認させてくれる。

映画が語るもの — 欲望と衝突を楽しむ娯楽
この映画が語ることは実のところそれほど複雑ではない。権力と忠誠、裏切りと交渉、そして世の中のどこにでもいる機会主義者たち。ガイ・リッチーは道徳的なメッセージを伝えようとするより、その世界に生きる人物たちの欲望と衝突を娯楽として見せる。軽く受け取れば十分だ。
評価
IMDb評点は7.8でロッテントマト新鮮度は76%の新鮮判定を受けた。批評家はガイ・リッチーのジャンル復帰を歓迎する雰囲気だった。観客の反応も全般的に好意的だ。『ロック、ストック』や『スナッチ』と直接比較して惜しさを表す見方もあるが、2020年代の犯罪アンサンブル映画の中で指折りの作品という評価が支配的だ。

惜しい点
リッチー初期作の荒削りなエネルギーや予想外の残酷さは減った。より洗練され管理された感じがあるが、それが長所でもあり旧来のファンにはやや物足りない点でもある。プロットが多層的に絡み合う分、追いかけにくい瞬間もある。特にフレッチャーが語る構造の中に登場するさまざまな人物の名前と関係を初見の観客が一度に把握するのは容易ではない。映画が速いテンポで前進するため、少し見逃すと戻って確認したくなる瞬間がある。またいくつかの下位プロットは映画全体の緊張感よりもユーモアやギミックのために存在するように見えるが、その比重が重すぎると感じることがある。それでも全体的な完成度は高く、エンディングですべてのパズルが合わさる満足感は十分だ。
総評
リッチー特有の犯罪アンサンブルを楽しんでいた観客なら嬉しい帰還だ。初めて見る観客も速い台詞と不意打ちの反転が積み重なる体験を十分に楽しめる。ヒュー・グラント一人だけでも見る理由がある映画だ。
こんな方におすすめ
- ガイ・リッチーの『スナッチ』や『ロック、ストック』が好きな方
- 速い台詞と多層的なプロットを楽しむ方
- 犯罪ジャンルでユーモアと緊張を共に求めている方
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