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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017)レビュー — シーザーの最後の戦いは復讐ではなかった 映画 ポスター

猿の惑星:聖戦記 (2017)

シーザーの最後の戦いは復讐ではなかった

★★★★★ ★★★★★ 4.5

by 10days1movie · 公開 2026-06-18

区分 映画
監督 マット・リーブス
出演 アンディ・サーキス, ウディ・ハレルソン, スティーヴ・ザーン, カリン・コノバル
公開 2017
ジャンル ドラマ, SF, 戦争
上映時間 140分

3部作を通じてシーザーというキャラクターがなぜこれほど長く記憶に残るのか、この最終作を観ると理解できる。猿の惑星:聖戦記は単純なSFアクションブロックバスターでは終わらない。復讐の誘惑を最後まで退けるある存在の物語であり、その選択が重くのしかかる。評価は★4.5。3部作の最高の完結編と言える。

どんな映画か — シーザーの最後の戦いと復讐

2011年から続いたリブート3部作の最終作だ。シミアン・フルーによって人類文明が崩壊した世界で、シーザー(アンディ・サーキス)が率いる類人猿の集団はコロネル(ウディ・ハレルソン)が指揮する人類の軍隊と対峙している。映画はコロネルがシーザーの家族を殺すところから始まり、シーザーは復讐のために単独行動に出る。一方で群れを率いる責任と個人的な怒りの間で葛藤する内面がこの作品の核心軸を成している。

雪原の中を馬に乗って戦場へ向かうシーザー、猿の惑星:聖戦記スチール

演出 — 西部劇と捕虜劇を編んだ雪原

マット・リーブスはこの映画を西部劇と戦争捕虜映画の文法で構成した。前半はシーザーの復讐の旅を追うロードムービーのように流れ、後半は捕虜収容所という密閉された空間で圧迫感を積み上げる。二つのリズムが噛み合って140分を満たす。視覚的には霜と雪で覆われた広大な雪原を活用するが、この風景がシーザーの孤独と疲弊を物理的に表現する。マイケル・ジアキーノの音楽は壮大でありながら悲しい。この映画が単なる痛快な復讐劇ではないことを音楽から伝えている。

演技 — もっとも完成したサーキスのパフォーマンス

アンディ・サーキスのパフォーマンスキャプチャ演技はこのシリーズ全体で議論されてきたが、この作品でもっとも完成した形を見せる。デジタルで表現されたチンパンジーの顔の中から疲れと怒り、悲しみと意志が自然に読み取れる。ウディ・ハレルソンのコロネルは単純な悪役ではない。人類の生存のためにすべてを捨てた人物として、その信念が狂気と共存している。スティーヴ・ザーンが演じるバッド・エイプは重い雰囲気を一時的に和ませる役割を果たしながらも、キャラクター自体として印象に残る。

雪に覆われた海辺を走る類人猿の群れ、猿の惑星:聖戦記スチール

映画が語るもの — 復讐が自分を変えてしまうなら

映画はシーザーが復讐の道を進みながら、徐々にコバ、つまり前作の敵対猿に似ていくことを意識的に見せる。怒りに支配されたシーザーは群れを危険にさらす選択を繰り返す。映画の中心的な問いはこれだ。復讐に正当な理由があるとしても、それが自分を変えてしまうなら、その選択を貫き通せるか。結末でシーザーが下す決断はその問いへの回答であり、その感情的な重みがエンディングを長く記憶させる。

評価とレビュー

IMDb評点は7.4を記録している。ロッテントマトの新鮮度は94%で、3部作のすべての作品にわたって均一に高い評価を維持した。多くの批評家がアンディ・サーキスのパフォーマンスキャプチャ演技は視覚効果部門以上の評価を受けるべきだったと述べた。シリーズ全体がSFブロックバスターの枠組みの中で道徳的な複雑さと感情の深みを体現した稀な成功例として評価されている。

傷を負った表情で正面を見つめるシーザーのクローズアップ、猿の惑星:聖戦記スチール

残念な点

捕虜収容所のシーケンスが長い。後半の脱走過程がやや予測可能に流れ、物語の緊張が弱まる区間がある。また3部作すべてを観た観客には感情的な余韻が豊かだが、この作品だけを単独で観ると、シーザーというキャラクターへの感情移入が薄いかもしれない。シリーズの順番通りに観ることを強く勧める。

総評

シリーズ3作を完走した後でこの作品を観ると、シーザーの旅全体がひとつの完結した悲劇として読める。マット・リーブスはSFの外皮の中に古典的なテーマを込めた。復讐と許し、責任と自由、そして何のために戦うかという問いだ。これほどの完成度で大型フランチャイズを締めくくる事例は珍しい。3部作の完結編の中でも指折りの達成だ。★4.5。

こんな方におすすめ

  • 猿の惑星リブートシリーズを第1作から順番に観てきた方
  • SFよりキャラクタードラマが好きな方
  • 単純な善悪の構図より複雑な道徳的葛藤を扱う映画が好きな方

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